新しいブログ
雑誌『Pen』の公式サイトにてブログ始めました。
http://www.pen-online.jp/blog/m-sasaki/
これからはこちらを中心に更新していくのでよろしくお願いいたします!
偶然の連鎖
友人Sが、引っ越したばかりの時、その部屋の前の住民宛の手紙が間違って届いた。
その名前はとても珍しかったのでSはその女性の名前を覚えていた。
数年後、Sは僕のやっているSNSでその女性の名前を見かける。
前日の僕の「偶然」についての文章を読み、Sはそのことを僕にメッセージで伝えてくれた。
彼女は女優で今は東京にいない。
だいぶ前に彼女の主演映画の初日トークイベントに僕は呼んでいただき、その時、僕は彼女と知り合った。
僕はその映画のトークイベントの後、彼女と他の人達と共にカフェに入っている。
その数年前、Sと知り合って最初に話したのも、その同じカフェだった。
その彼女主演の映画の舞台となる部屋は、彼女自身が実際に住んでいた部屋で、いま現在Sが住んでいる部屋だ。
全編、その部屋で撮影されている。
その映画が公開された映画館は今はすでになく、現在は舞台の劇場になっている。
Sはその劇場で舞台監督の仕事をしている。
奇妙な偶然の連鎖。
偶然
よく偶然に人とばったり会ったりするんだけど、ここ数日また立て続けにそういうことがあった。
10年くらい前に、「偶然」をテーマにしたポール・オースターのエッセイ『トゥルー・ストーリーズ』読んだのでなんとなくブログに書いた当時の文章を思い出したんで貼ります。
世界は偶然でできている!w
※文章に出てくる「お坊さんのドキュメンタリー映画」は後に『Fragment』というタイトルで公開しました。
↓
2年前、2002年2月。
ニュージャージーに住む殺人罪で45年間刑務所に入っていた画家トミー・トランティーノのドキュメンタリー撮影の為、NYに向かう飛行機に単身乗っていた。もうひとりのスタッフとはマンハッタンで待ち合わせしている。
JFK空港に降り立ち、目的地までのバスを探していると「すみません、日本人ですよね」と声をかけられた。
日本人の女子大生で「NY初めてなんでどうやって行くかよくわからなくて」と言われて、まだ時間に余裕があったので彼女の目的地まで向かうバスの停留所を一緒に探した。
彼女は、僕が子供っぽいからか同じ大学生だと思っていたらしく、歳を言ったら驚かれ、来た理由を聞かれたので撮影の仕事だと教えた。
それでも「ホントに社会人?」と疑うので、別れ際に当時やっていた仕事のチラシをいくつか持っていたのであげて、僕は別のバスに乗ってマンハッタンに向かった。
彼女が何日滞在するかも聞かなかったし、僕は自分の連絡先もいつ日本に帰るかも別に言わなかった。
1週間後、フィラディルフィア、ニュージャージーとNYで撮影を終えて、再びJFK空港。
帰りの便に乗り込みシートベルトを締める。ふと前の座席の隙間から見覚えのあるチラシが。
席を立って前の席を覗くと、前に座っている女性もこっちを向いた。
僕のあげたチラシを持ったあの女子大生がそこにいた。
2ヶ月後。
今度は、個人的に撮っているお坊さんのドキュメンタリー映画(現在編集中)の撮影のため再びNYへ。
イラク戦争が始まったばかりな上、4月なのに大雪という異常な雰囲気の中撮影は終了。
雪のため、観に行く予定だったヤンキースの試合(ヤンキースタジアム松井秀喜デビュー戦)は中止になってしまう。
2日後、野球観戦を完全に諦め、ひとりソーホーで買い物をしていた。
靴屋に入って物色していると、イタリア系のでかい店長らしき人物が近づいてきて、
「お前、日本人か?」と聞いてきた。
「そうだけど」
「(ニカッと笑い)昨日のヒデキ・マツイ見たか?」
「え、昨日。野球やってたの?」
「雪やんだから繰り越しでやったんだよ!それでグランドスラムだよ!!マツイが!!」
「満塁ホームラン!?ゴジラ!?」
「イエス!ゴジラ!!」
「え〜マジで!!知らなかった!!見逃した〜!!」
そう、あの伝説のヤンキースタジアムデビュー戦、戦慄のグランドスラムを果たした松井秀喜の勇姿を同じNYにいながら僕は見逃していたのだ!!
まぁ、その靴屋のオヤジにスニーカー代を少しオマケしてもらったからラッキーではあった。
その後すぐに、その夜の試合を観るためにヤンキースタジアムへ向かう。
到着して、チケットを買うため売り場に並ぶ。雪がやんだとはいえかなり寒い。
前に並んでいるのは僕よりちょっと年上風な日本人の女性で、なんとなく「寒いですね〜」なんて声を掛け合ううちに、お互いの松井と野球についての熱い思いを語り合う。
やっと中に入るが、彼女とは全然席が違うので、そこで「じゃあ、お互い良い時間を!」と別れる。彼女の名前も、職業も、NY在住かどうかも聞かなかった。
その日の松井は全然冴えなくて、まったく打つ方では活躍しなかったが、野球ファンとしてはこの場所にヤンキースの一員として立っている彼を観るだけで感動してしまった(まぁ今となっては当たり前なんだろうけど、当時はまだ定着していなかった)。なにしろバーニー・ウィリアムスと普通にキャッチボールしてんだぜ!すげぇなぁ松井、と大満足の一夜だった。
2日後、ひとり帰国するため飛行機に乗り込む。
戦争の影響か座席はガラガラ、どこに座ってもOKなくらいだ。
自分の座席番号を確認する。ガラガラだがどうやら隣はもう座っている。
「すみません」と言って前を通り自分の席に座ろうとして、そのお隣さんと目があった。
同時に「あっ!」と言った。
その人は、ヤンキースタジアムに一緒に入ったあの日本人の女性だった。
これは、まったくの「真実の話」で、単なるちょっとした「偶然でしょ」ですむ話です。
「2ヶ月間」に「2回連続」、「NY」にて、「帰りの飛行機」の「隣の(前の)座席」で、「別の場所で出会った」、「知り合いではない女性」と、「再び会う」のは多分かなり低い確率でしょう。
しかし、普段の人と人の出会いを考えるとみんなこんな確率になるんじゃないかなぁ、と思います。あたりまえにいる友人や恋人、家族なんかものすごい数の「偶然」の積み重ねによって現存しているんですから。
こういった「偶然」に翻弄されて我々は生きているワケです。
よくよく考えたら生まれてくること自体「偶然の産物」みたいなもんですし(なんだかインチキ教祖っぽくなってきました!笑)。
こういう出会い方をすると、なにか意味があるんじゃないか、と思ってしまいがちですが、この時出会った2人の女性は、2年経ちますが、今のところ僕の人生において重要な意味はなさそうですし、彼女たちの人生にも僕の存在はたいした意味はないと思います。
小説や映画なら簡単に恋に落ちそうな感じですが、現実はそんなことなかったです。
しかし、思い返すとなんだか不思議な体験ではあります。
こういう体験をする度にどーゆう仕組みになってんのかなぁとは思ったりします。
バリアフリー コミュニケーション ぼくたちはセックスしないの!?できないの!?
久々の更新です。。
フジテレビNONFIX『バリアフリー コミュニケーション ぼくたちはセックスしないの!?できないの!? 』構成と演出しました。
来週、2月26日(水) 26:20(夜中の2時20分)〜放送
語りはリリー・フランキーさんで出演もしていただいています。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2014/640.html
念の為に言うと、地上波です!w
テレビ持ってれば誰でも観れます!
多くの方のお力をかりてようやく完成いたしました。
出演していただいた方、協力していただいた方には本当に感謝しかありません。
この場を借りてお礼を言わせてください。
長い時間かかってしまい申し訳ありませんでした。
そして、ありがとうございました!!!
「障害者の性」をテーマにしてますが、映画でも何でもこういった作品ばかり作るんで、タブーに挑戦してるね、というようなことを時々言っていただきますが、当然そんな意識はなく、まだタブーですらない、その現実に憤りを感じてやっている気がします。
ぜひ観ていただければ、と思います。
ド深夜なのでその時間、寝ている方は録画ででも良ければ!
ハードル自分で上げますが、はっきり言って面白い、そしてとても意味のある作品になったと思います。
よろしくお願いいたします。
『INNERVISION インナーヴィジョン』公開!!
ついに今週土曜日4日から公開します。
『INNERVISION インナーヴィジョン』
5月4日(土)から渋谷アップリンクにて。
「生まれついての視覚障害者はSFアクション映画を作れるか?」といったテーマで描いた作品です。
http://www.uplink.co.jp/movie/2013/8295
思えば『Fragment』以来7年ぶりの単独公開です。
感慨深い!笑
是非、まず予告編を観ていただければ!
公開期間中は、連日多彩なゲストをお招きし、上映後トークイベントを予定しております。
僕も毎日、劇場にいる予定です。
是非ご来場いただければ、嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。
佐々木誠
ボーダーはどうしたら埋まるのか?
話題になってる以下のバスの中での話。
http://gladdesign.tumblr.com/post/1040534688/10#_=_
このバスのエピソードがホントの話かどうかはわからないけど(おそらく作られた話だと思う)、まぁそういうクソ過ぎる言動する人たちも意外だけど確実にいるんだろうなぁ、とは思う。
僕は、仲良い友達の中で障害を持った人も何人かいて、たまたまそういった題材の映画も撮ったりしてるんだけど、時々、障害を持った人に対して驚くことを言う人もやっぱりいて。
バスのエピソードとは逆の意味で。
以前、とあるとてもマジメそうな青年と知り合い、彼が介護の学校に行ってるというので、僕が身体障害を持った人を主人公にした映画作ってると言うと、
「ほんと、障害を持った人たちってみんな天使みたいですよね」
と真顔で言った。
どういう意味かわからないけど、正直、僕のまわりにそんな奴はいない。
耳を疑った。
「え、天使?」
「はい!みなさん、純粋無垢で大好きです!」
う〜む。。
さらに、
「佐々木さんの映画、きっと感動系ですよね。そういうの好きなんです」
と続けられたので、もう何も言えなくなった。
身体障害者のモンマさんの充実なセックスライフと僕自身が謎の外国人女性とハメ撮りするも失敗しちゃう様を平行に描いて、この中で何がマイノリティなのか?という、感動する要素はない、ある意味投げっぱなしの映画なので。
介護の勉強している人でも「障害者=天使」という認識してる人もいるわけだから、そこのボーダーを埋めて行くのはなかなか大変だ、と当時思った次第です。
このマジメな介護学校に通っている青年の考えとバスのエピソードに出てくる若いクソ野郎なお母さんたちは、全く逆のことを言ってるし、一緒にするのはいささか乱暴かもしれないけど、根本は同じなような気がする。
新作
新作『INNERVISION 』が公開決定いたしました。
5月4日(土)より渋谷アップリンクにて。
思えば単独では『Fragment』以来7年ぶり、オムニバス『裸over8』からは6年ぶりのロードショーです。
なんだか感慨深いものです。
今までの自分の映画に比べると、一番わかりやすく優しい映画だと思います。w
以下の予告編でチェックしてみてください!
是非劇場に観にきてくださいね!
インド
インドから帰国しました。
東京→上海→成都→崑明→カルカッタ→ハットゴビンダプール→カルカッタ→ケンドリー→ハットゴビンダプール→カルカッタ→崑明→上海→東京。
中国は帰りは乗り換えのみですが、3週間でかなり移動しました。
行きは上海のヤバいホテルで一泊した後崑明に向かっていたらまさかの天候不良で、成都に緊急着陸。
僕以外全員中国人の100%マイノリティを堪能しつつ、航空会社が用意したホテルにまったく知り合いではない中国人のおっさんと勝手に相部屋にさせられ、一晩過ごす、という幕開け。
で、さらにやっと着いた崑明で14時間待たされ、ついにインド上陸。
初インド、とにかくヤバい体験でした。
撮影していた内容も超面白い。
詳細はまた!
基本的に旅の途中ずっと絶好調だったんですが(食い過ぎでまさかの3キロ太りました)、ケンドリーでのジョイデブメーラー(10万人規模のバウルたちの音楽祭)終了した夜に、突然高熱が出てしまいました。
常に数人で寝泊まりしていたので、バタバタしていると迷惑だし僕自身もめんどくさいだろうと思って、余ってる藁と土の小屋を借りてひとり移動しました(他のみんなも別の土壁や藁葺きの家に宿泊)。
そこで熱が出たらよくやる逆に汗かいて下げる作戦(厚着して寝袋に入りサウナ状態にして汗かいて何度もTシャツを変える)を一晩中やっていたんですが、なんか東京のひとり暮らしの家でやってることをインドの山奥でひとり藁葺きの小屋でやってるのが面白いなーと思えて来て、また小屋の外からは祭りの余韻でまだいろんなところから勝手に演奏会やっていてその音もとても心地よくてなんかこの状況を記憶に残したくて熱で朦朧としながらニヤ二ヤしてこの写真撮りました(次の日、汗まみれのTシャツ干したのもついでに)。![]()
もちろん次の日には下がっていて全然大丈夫だったんですが、なんか完全に個人的な思い出はこれくらいなので、とりあえず。
あ、あとついでにケンドリーでのもう1エピソード(ちょっと汚いので気になる方は読まないでください)。
インドではカルカッタでもハットゴビンダプールずっとシャワーなくてお湯もでないので基本水浴びだったんですが、ケンドリーではさっき書いた通り素敵な藁と土壁の家に住まわせてもらっていて、外に共同の簡易トイレと簡易水浴びスペースが併設してありました。
ある日、井戸でバケツに水を汲み、水浴びスペースに入ろうと並んでいたら、前に並んでいたフランス人(とても珍しい)が、入った途端、
オー!!!!
と顔をしかめて飛び出してきました。
なんだろうと思って入ったら、まさかのウ◯コがその水浴びスペースのハジにありました。
マジか‥‥
おそらく誰かがトイレスペースが混んでいて間に合わなく、やむなくやってしまったのでしょう。
こりゃ俺もここで水浴びは無理だな‥‥と思いましたが、インドではもしかしたからたまにあることなのかもしれない。
郷に入れば郷に従えというし、日本人だからといってこれを拒否したらダサいんじゃないか?
フランス人は逃げた。
さあ、俺、どうする!?
というワケでウ◯コを横目に水浴びを済ましました。
まー別に触れるわけでもないし、ドロだと思って気にしなければ全然大丈夫でした。
さっぱりして出て行くと入れ違いにインド人が入って行きました。
ギャー!!!!
と言ってインド人、飛び出してきました。
え・・・?
その後、ちょっとした事件になり(小学校でよくある風景的な)、あそこで水浴びした唯一の人間ということで僕は「勇気ある日本人」という称号をいただきました。
やはりインドでもあれはない、ということでした(当たり前だ!)。。![]()
写真の裸の男の子は仲良いサドゥ。
彼の左後ろにあるのがそのトイレと水浴びスペースです。
オレンジのバケツの前にいる裸の男性がいるのが井戸で、ここでバケツに水を汲みそれぞれトイレなり水浴びに使います。
インド行ったことをある人には常識ですが、トイレで紙は使いません。
自分でバケツに水を汲んでオケでケツを流して洗います。
食べ物は右手で、不浄なものは左手で、ってのを3週間実践しました。
まぁ慣れるものです。
さっき
3週間ぶりに紙を使いましたが、ちょっと感動です。
まぁまだまだ面白いエピソードは山のようにあるのですが、またそれはどこかで。
今年のベスト
先日の「アレアレシネマトーク」アーカイブ。
今年最後のアレアレのテーマは今年のベスト、でした。
というわけで、ちょっと早い今年の個人的ベスト10。
劇場で観終わった瞬間の満足感を思い出しその度合いで選定しました。
5位以内に3D映画が3本。6位以降が日本映画と韓国映画のみ。全体的にドキュメンタリー映画が3本。アニメが1本。
人からみたらどう思うかわかりませんが、ジャンルバラバラだけどツボが一貫してるなぁと我ながら思います。
1 ニーチェの馬(タル・ベーラ)
2 世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶(ヴェルナー・ヘルツォーク)
3 ライク・サムワン・イン・ラブ(アッバス・キアロスタミ)
4 Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(ヴィム・ベンダース)
5 プロメテウス(リドリー・スコット)
6 苦役列車(山下敦弘)
7 この空の花 長岡花火物語(大林宣彦)
8 おおかみこどもの雨と雪(細田守)
9 哀しき獣 (ナ・ホンジン)
10 ドコニモイケナイ(島田隆一)
http://www.ustream.tv/recorded/27796446
新作
![]()
新作『INNERVISION』編集中。
生まれつき目が見えない男がSFアクション映画を作れるか?
というドキュメンタリーを撮る映画オタクの晴眼者。
についての映画です。
視覚障害者版リアル『最強のふたり』的な!?ww
まぁいつものマイノリティを屈折して(笑)描いた需要があまりないアレです。
目が見えなかったら映像作れるのか?という映像屋なら誰でも一度くらい考えたことあることをやってみました。
詳細はまた!


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