ダンス
先日行ったダンスイベント。
光と影と肉体のみで表現するシンプル過ぎるパフォーマンス。
http://bigakkobar.jp/oblivion/
フランスから来たCamille Mutel。
何の予備知識もなかったので男か女かそのどちらでもないか、また人種さえも終わるまでわからなかった。
マチュー・フェリの照明とのヤバ過ぎるコラボレーション。
ベーコンの絵画、リンチの映像を彷彿とさせる計算されつくした光と影と肉体を使ったダークなエンターテイメントだった。
以下映像あり。
http://vimeo.com/16697350
unicaは対照的に日本人男女混合3人ユニットで、照明・音響の曽我傑との組み合わせは即興性を重視している印象だった。
ヘルツォークの洞窟映画の影響か壁に映る3人の影が動物や恐竜のように見えたりして、自分の中のイマジネーションが勝手に物語をすすめて楽しかった。
太古の人間はこうやって肉体と光と影を操って物語を紡いでいたのかな、とかいろいろ。
最近観た
ここ数日、DVDで観た映画。
「ミッドナイトエクスプレス」
「スケアクロウ」
「さすらい」(ヴェンダース)
「ナッシュビル」
「さらば冬のカモメ」
最近、アレアレでよく話題にあがる作品を久々に。
話題にあがるけど、所々思い出せない所もあって気になってた。
偶然だけど、全部70年代のロードムーヴィーとカテゴリーされるもの。
結局、ハリスさんはじめおれらこの辺が好きなんだなぁと。
いや、当然ながら全部傑作!
かなり濃いラインナップでした。
濃いので途中で「CSI」シリーズはさんで観てました。
偶然だけど「さらば冬のカモメ」「ミッドナイト・エクスプレス」両方にランディ・クエイド出ていて、両方ムショに入る役だった。
で、ウィキ調べたら「さらば冬のカモメ」の続編をリチャード・リンクレイターが企画しているらしい!!
あり得ないが、リンクレイターなら全然OKだしうまくやりそうな気がする。
タイトルは「Last Flag Flying」とのこと。
うむ!!
さらに先週劇場で観た映画。
アスガル・ファルハーディー監督
『別離』
http://www.betsuri.com/
もう途中からガンガン目を離せなくなる。
「嘘」の連鎖とそれにのみ込まれて行く人々の物語。
三谷幸喜が常に戯曲で描いているのもほとんどこんな感じだな〜とか観てる時思い出したけど、ほぼ笑いはなく全編緊張しっぱなし。
『ドライヴ』
http://www.youtube.com/watch?v=kc2D68QsAnQ
先日、飛行機で冒頭だけ観て、こりゃしょぼい画面で観ちゃ後悔するヤツだ、と思いすぐやめた。
というワケで劇場で観ました。
すげーオーソッドクスな話なのに、見せるべき所をまったく描かないのが気持ち良くて面白かった。
古典的な英雄譚の現代版。
あと、映画じゃないですけど
今さらですが『魔法少女まどか☆マギカ』一気に全話観た。
そこまでアニメ好きではない友人数人がずっと前からすすめてくれるのでようやく。
正直、美少女アニメとかまったく観たことがなく興味もなかった。
でも面白かった。
観たことないけどおそらく『セーラームーン』とかのアンチテーゼなんだろうし、00年代までのサブカル的なモノの集大成な構成だったように思う。
途中で後半の展開は完全に読めたし、ケン・グリムウッドとかもう何度もいろんなパターンで踏襲(笑)されているから、またかと思ったけど、最後まで観るとそれもあえてやってる感じがした。
ジャパニメーション、恐るべし!
劇場版、行っちゃうかも!
http://www.madoka-magica.com/
雨、カラオケ。 昨日まぷ。
編集ばっかやって運動不足だから走ろうと思ったら雨降っていたんで、かわりに近所の友達と久々にカラオケ行った。
いい汗かいた。
などなど。
昨日は指輪ホテルの羊屋白玉さんの猫、まぷに久々に会いに行った。
出会いは10年前。
動物苦手だった僕の価値観を変えてくれた愛しいヤツ。
なんと22歳。
人間だったら100歳超えてる。
いつまでも元気で!![]()
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最近観に行った映画の一部の短い感想
『アーティスト』
非常に良くできている映画でした。
突っ込みどころもあるけど、その辺も当時のサイレント映画を再現してるのかな、と思わせる完成度。
http://artist.gaga.ne.jp/
『ニーチェの馬』
やっと観た。
最高すぎです。
タル・ベーラ、これが最後の作品って言いたくなるよな、これは。
http://bitters.co.jp/uma/
『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』
『戦場からの脱出』あたりからもはや何でもアリ度が振り切れてるヘルツォークの新作、まさかの3Dにして洞窟壁画のドキュメント。
入り口でゴールデン街の映画バーのマスターとばったり会って(今日これで4本目でその内3本が3Dで『ピナ』最高だったな!!と仰ってました)、
席に着くと隣の席がまた別の友人でまたばったり。
みんな考えることは一緒だな。
当然すげー面白かった。
質問の仕方がさすが。
ヘルツォーク好きとしてもニヤリとする瞬間あり。
前日に観た『ヒューゴ』の最新最高の3D映像が素晴らしすぎたので、3Dの荒さが気になったけど、それでもその意義は伝わった。
http://www.hekiga3d.com/
『戦火の馬』
スピルバーグ初の第一次世界大戦ものということで戦闘シーンの期待で観に行った。その辺さすがに気合い入っていたな。
スピルバーグ作品、個人的には『宇宙戦争』がベストなんだけど、構成的にちょっとその雰囲気に近い。
あと馬が主人公という無茶な展開が無茶じゃない所がすごい。
物語はかなりベタな感動モノなんだけど、もう最後は超号泣。
最近ちょっと感動するとすぐ泣く。歳だな。。
http://www.youtube.com/watch?v=Divdgb7RL58&feature=relmfu
『SHAME -シェイム-』
この世界を切り取るって、映画ってまだまだ描かれてないものがたくさんあるんだなー、と。ウィンターボトムとかソダーバーグな方向性だけど、撮り方が生々しくないところが面白かった。役者の演技一本で勝負してる気がする。
スティーブ・マックィーンというあり得ない本名のこの新人監督の次回作が楽しみ(名前変えないところに気概を感じる)。
http://shame.gaga.ne.jp/
ヴェンダースが3Dで撮った『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
わりと先に観ていたまわりの評判がイマイチだったので、どーかなーとは思っていたが、すげー面白かった。
以前、いくつかのコンテンポラリーダンスの映像を制作していたことがあるからかもしれないが、いちいちたまらなかった。こういったジャンルの映像作品としては究極なんじゃないかと思う。
ドキュメンタリーとか「映画」って感覚で観るとキツい。
ここ20年、ヴェンダースで本当に良かったのは長編劇映画以外ばっかだなぁ。
http://pina.gaga.ne.jp/
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
中盤までなんかバランス悪い映画だなぁと思っていた。
後半から一気にそのバランスの悪さが全て計算だったことを思い知らされる。
まんまと号泣。
http://www.youtube.com/watch?v=Tf4Xr_doJ24
「木村栄文 レトロスペクティブ」!
『記者ありき 六鼓・菊竹淳』
福岡日日新聞、伝説の記者「六鼓・菊竹淳」を五.一五事件を軸に掘り下げて行くのだが、まさかの三国連太郎主演!!
ドキュメントのアテンドなのか、再現ドラマの主演なのか、その両方なのか、三国のあつかいがすべてが曖昧な木村演出。
それに真摯についていく三国!
『むかし男ありけり』
高倉健さんが檀一雄の生き様を追うという異色のドキュメント。構築する男、追う男、追憶される男。木村栄文×高倉健×檀一雄というカッコ良すぎる男たちにシビれまくった。
こんな作品観たことない。
最高。
http://a-shibuya.jp/archives/2491
ダイアログ・イン・ザ・ダーク
現在進行中の視覚障害者を題材にした作品の参考を兼ねて「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行った(いままで全然知らなかったが、外苑前のおなじみタンバリンギャラリーのほぼ向かいにあった)。
http://www.dialoginthedark.com/
視覚障害者2名によるアテンドで、約90分「完全な闇」の中を8人ほどのチームで冒険するイベント。
面白かった。
この体験で視覚障害者を理解できたとは到底思わないけど、自身の「視覚」と「コミュニケーション」についてはなんとなく理解できた気がする。
これはどう説明したってピンと来ないと思うのでご興味ある方は是非体験していただきたい。
個人で来る人もいるみたいだが、だいたい友人と何人かで来て、そこでいくつかのまったく知らない人たちのグループと主催者側に組まされひとつのチームになる。
僕は男の友人と行ったのだが、チームの他の人たちはみんなカップルだった。カップルで来るのが多いみたいだ(僕らは暗闇の会話の中で一応「おれらカップルじゃないですよ」と言っておいた)。
面白いことにチームの人たちとまったくの他人なのにイベント終了時にはものすごく仲良くなってる。たった90分で。顔も見えないのに。
まだ微妙な関係で初デートだと言う若いカップルの女の子の方に「長く付き合うなら彼みたいなタイプだよ!」と知り合って90分なのに余計なアシストしておいた(彼の方は「あざ〜〜〜す!!!」と喜んでくれた)。
まぁそんなこんなでいろいろ活動してるうちに最近視覚障害者の知人友人も増えたのだが、遊んでると時々感覚がズレる。
昨年、その内のおっさんと1泊温泉旅行に行ったのだけど、朝まで部屋で二人で飲みすぎてベロンベロンに酔っぱらって、さぁ寝るぞ、という時に思わず、
「電気消しますか〜?」
と聞いたら、
「どっちでもいいよ〜」
とおっさんは答えた。
そりゃそうだ。
というわけでテーマは、
視覚とコミュニケーション。
ケニアに行ってきましたよ。
1月中旬から11日間ケニアに撮影で行ってました。
何の撮影とかはまだアレなんですが3月くらいにはちゃんとお伝えできます。
4カ所、ナイロビ、ニャフルル、マサイマラ、ナイバシャ。
道はかなり悪く、何時間も延々ジェットコースターに乗ってるようなような車移動でした。
まー
でも、とにかく、素晴らしい国でした。
自然と動物と一緒に共存している。
シンプルだけど初めての体験。
人々が皆ポジティブに生きている感覚。
今まで10数カ所いろんな国に行ってきましたが、今までで一番良かった。
最高です。
もう一度行きたいな、って現地の人に言ったら、一度アフリカに来た人はみんなそう言うと。
おそらくそれはアフリカが人類発祥の地だからみんな戻りたくなるんじゃないか、と。
とても納得しました。
だってなんか懐かしく心地よかったから。![]()
「TAROの塔」
あけましておめでとうございます!
年末っちゅうことで風邪っぴきなのに飲み続けもはや風邪なのか二日酔いなのかわからないけどフラフラしたままなのは確実で、年を越してしまいました。
その間せっせとハードディスクにたまっていたものをひたすら観て消化していたのですが、今さらだけどNHKでやっていたドラマ「TAROの塔」が傑作でした。
僕は高校出た後すぐ西麻布で3年間新聞配達していたのですが、青山の岡本太郎邸も配っていて、毎月集金の時は敷地内に入って、トシコさんに直接新聞代いただいてました。
ドラマに出てくる屋敷の中と常磐貴子のトシコさんがまんま記憶通りだったので、そういう意味でも面白かった。
太郎さんが亡くなった時もちょうど集金時だったのですが、バタバタしていて誰も僕の対応できなかったので、こりゃ歴史的な一日だ、と勝手に屋敷の中にドサクサ紛れにずんずん入ったら「こら、だめよ勝手に入ったら」とトシコさんに見つかり怒られました。
というわけで寺島しのぶの岡本かの子がすごく良かったので久々に「巴里祭」を読みながら(結局)ひとり飲んでいます。
良い正月です。
今年もよろしくお願いいたします!
neo junction
なんだかブログ随分空いてしまった。
この間、いろいろありました。
先日開催した『Fragment』×『大津波のあとに』『槌音』
ありがたいことに満員御礼でした。
来ていただいた方ありがとうございました。
また来ていただいたのに入場できなかった方、申し訳ありませんでした。
またやらせていただければ、と考えています。
以下記事に取り上げていただきました。
http://www.tokyo-fashion.net/content/Article/JPentertainment/3569.shtml
1ヶ月くらい前に、仕事帰り撮影現場から近かったので前から行きたかった友人ののぎすみこさんの展示会にふらっと遊びにいった。
そこで、映像作家の大木裕之さんを紹介してもらった。
お会いするのは初めてだが、作品はもちろん学生のときから観ている。
衝撃的な作品ばかりで、当時度肝を抜かれた。
「今日、この後、別の場所で僕の未公開作品の上映会あるけど君来る?」
と誘われた。
初対面だが昔から観ていた作家の方からの誘いを断るようなヤボなことはしないオレです。その後の遊びの予定をキャンセルして大木さんと一緒に電車に乗ってneoneo坐に行った。
そこに山崎幹夫さんがいた。もちろん学生時代よく作品観させていただいてこっちは勝手に知っている。
上映会自体は告知も少なかったようでお客さんもあまりいなかったが、終わったあとその場にいた数人みんなで飯を食った。で、初対面の人しかいない中で「オレの映画はほとんど誰も観てないですが面白いですよ」と恥ずかし気もなく言ったら、じゃあこのメンツで上映会しようという話になって、イベントやることになりました。出会って約3時間。大木さんの忘れ物をバイクで届けに来たのぎさんもその場で巻き込んで。
12月20日(火)19時
neoneo坐
大木裕之が開催する“neo junction”。
http://www.neoneoza.com/program/neo_junction.html![]()
いや、特に第2部、こりゃかなり豪華ですよ。そんな感じで決まったイベントにしては。
一番良かった90年代のイメージフォーラムフェスティバル行ってた人にはたまらないと思う。
この中でまったく違うカテゴリーの自分が上映させていただくっていうのが客観的に面白い。
酒飲みながらわいわい観るって感じのゆるいイベントでしかも上映作品がヤバ過ぎる(おそらく僕のが良くも悪くも一番ポップです)のですがご興味ある方は是非。
まぁ映像観ながら忘年会する感覚です。おそらく。
予約通し券がお得!!
ちなみにご飯はすごく美味しいです!
http://www.neoneoza.com/program/neo_junction.html
電車の中での話
けっこう混んでいて僕は座席の前に立って本を読んでいた。
隣には80代と思われる女性。
僕らの前に座っているのは中学生と思われる女の子3人組。
ギャルっぽい感じではなくごく普通のいい子な感じ。
おしゃべりに夢中だ。
隣の老婆はつらそうな表情を浮かべている。
3駅分ずっと考えていた。
女の子たちに、おばあさんに席を譲ったら、と言ってみることを。
しかし、女の子たちからしてみたら私たち楽しくおしゃべりしているだけなのになんで突然知らないおっさんにそんな事言われなくちゃいけないのよ、ということになるだろう。
それ、おっさんの押しつけじゃね?と取られてもおかしくないし、実際そうかもしれない。
周囲の人たちに見られて彼女たちの尊厳を傷つけるかもしれない。
そうなるとやっかいだ。
老婆も自分から発信していないのにそういったやりとりの中心になる事は望まないだろう。
う〜む。
しかし、
「ねー、おばあさんつらそうだからさ、席変わってあげたら」
と真ん中に座っている女の子の耳元で周囲に聞こえないくらいの大きさで思わず言ってしまった。
女の子たちはおしゃべりをやめた。
そして、怒っているような悲しんでるような顔でそれぞれ困惑しはじめた。
立つ気配はない。
そのまま1駅分が過ぎた。
僕は本を読むふりをして彼女たちの様子をうかがっていたがずっとそんな調子だったので、僕がいる事で行動に移せない(大人に言われた通りにする私たちじゃないぜ!的な)のかもしれないと思い、隣の車両に移った。
なのでその後彼女たちにが席を譲ったのかどうかわからない。
自分の行動が正しかったのかもわからない。
昨日、視覚障害者のおっさんと2人で温泉旅行に行ったのだが、電車で移動中、彼は前に座っていた人に席を譲られた。
しかし、後で僕に、
「電車の中で白杖持って席の前立っているとみんな譲ってくれるけど、おれ目が見えないだけで足悪くないから別にいらねーのになー、といつも思う」
と言っていた。
中学生の時、前に立っていた60代くらいの女性に席を譲ろうとしたら「失礼ね!私そんな歳じゃないわよ!」と怒鳴られたことがあったので、それ以来、それらしき人がいると黙って降りるフリとかして席を立つようにしてたのだが、先日、慶応大学の岡原教授が「それは一番最悪。コミュニケーションが欠如している。その人に『座りますか?』と聞けば良い事」というような話をしていて、そういえばキリンジの兄貴の方もそんなこと言ってたなぁと思い、さっそく実践したら思った以上にスムーズだった。
何を言いたいかよくわからないが、限定された場所での他人とのコミュニケーションは相手を見て判断したりめんどくさいけど必要なことなんじゃないかしら、という話。
余談だが、高校生の時、東西線で通学している途中、強烈な視線を感じて隣の車両を見るとまったく面識のない小柄で薄汚い格好だが非常に端正な顔をした中年の男がじーっと僕を見つめていた。その男はわざわざこっちの車両に移動してきて僕の前に立った。小柄な僕よりも小柄だった。間近で見るとその体型とアンバランスなくらい彫りが深いハンサムだった。
「あんた、ウサギみたいだ。よく言われるだろう?」
と突然彼は僕に言った。
意味が分からないがちょっとからかおうと思って、
「たまーに言われます、卯年なもんで」
と適当なことを言った。
すると、
「彼にちゃんとそれを報告しとくよ」
とその男は言ってまた隣の車両に戻って行った。
まったく意味が分からなかった。
一緒にいた友達が、
「誰?お前の叔父さん?」
と間抜けな事を言ったが無視した。
次の週、日曜日に映画を観に銀座線に乗ったら、隣の車両にその男がいた。
僕を見てニヤニヤしていた。
気持ち悪かった。
デヴィッド・リンチの映画みたいだ、と思った。
今考えると「ロスト・ハイウェイ」のミステリーマンっぽい。
オチはないです。
その後まったく会ってない。
HOTPARTICLE
地震の直後以来ほとんどブログを書いていなかった。
特に意味はないのだけど、なんとなく。
ツイッターやらつぶやきやらフェイスブックの方がお手軽だし、とかもあんま関係ないと思う。
結局、あれから変わったことをガツンとした実感のないまま、何もなかった顔して仕事したり遊んだりしている。
未曾有の事態なのにフワフワした日常をなんとなく受け入れて生きている。
そろそろそれらを描かないといけないな、
と思っていたところで、先日、劇団ミナモザの「HOTPARTICLE」という舞台を観に行った。
その舞台に出演している以前僕のイベントで司会をやっていただいた外山弥生さんからのお知らせだった。
ミナモザは以前から知っていてとても興味があったがまだ観た事がなかった。
主催の瀬戸山美咲さんは7年くらい前に知人が監督したあるインディーズ映画でご一緒させてもらった。彼女は主役を演じ、僕はスタッフではなく彼女を尋問しあの遠藤憲一さん(!)を捕まえる刑事役でなぜか出演していた(どうでも良いがほんと酷い演技だったと思う。もう人前で演じたりするのは2度とやらない)。
それ以降、瀬戸山さんとはばったり深夜のコンビニで会ったくらいで特に付き合いはなかった。彼女がやっているミナモザのチラシを何度かどこかで見てテーマ的に興味があるな、と思っていたけど観に行く機会がなくそのままだった。
なぜこんな事を書くかと言うと、つまり僕は瀬戸山さんの事をよく知らない、ということで、それがこの舞台を観る上で個人的により楽しめた要因でもあったと思う。
「HOTPARTICLE」はここ半年の瀬戸山さん自身の物語だ。
ドキュメンタリー舞台と言っても良い。
地震→原発が生活を変化させたことを根底に、彼女が地震発生時、彼氏と一緒にいて、でもその彼氏はその直後被災地出身の元カノとよりを戻したり、瀬戸山さんの10年ほど前に別れた後も友人として長く付き合っている元カレとの関係、友人だけど微妙な間柄の舞台役者との関係などもコミカルにみせながら彼女は「産めなくなる体」になる覚悟をして『原発』に会いに行きそれを舞台作家として作品を制作する、その過程を描いている。
瀬戸山さんはじめ実在の人物を別の役者がそれぞれ演じている再現ドキュメンタリー的な舞台。
こういう私小説的手法はいままでも映画や漫画でいくつか観てきたが、舞台もいくつかあるんだろうけどで僕は初めて観た。
舞台でこの手法をやるのが珍しいからやったのではない(と思う)。
だいたいにおいて作家が自分自身について描くものは僕はナルシズムがプンプンして反吐が出る事が多く好きではないものが多い。
自分自身を滑稽に描けば描くほどそのナルシズムが表に出る。
それがなんとも嫌いだった。
が、「HOTPARTICLE」はまったく思わなかった。
これしかなかったのだ。
この未曾有の事態を今、正確に描くには。
地震の後、僕のまわりでも被災地に撮影しにいったり、そのものを映画化したりする人が多く、来年はけっこうな数の作品が公開されると思う。
それは全然悪い事ではないと思うし、できる限り観に行きたいと思っている。
でも僕は被災地に行かなかったし撮影しようとも思わなかった(正確に言うと自分の意志ではなく仕事の関係で4ヶ月前に一度行った。そのことはまた別の機会に)。
僕のリアルは生活している東京にしかなかった。
自分自身のリアルを通して対峙しないとこのことは語れないと直感的に思った。
なので3.11当日からひっそりと撮影を開始した。
ちなみに5年前に公開した「Fragment」は9.11以降の変化を自分自身の見える実感を映画化しようと思って制作した映画で評価とかどうでも良くてやはりそういうカタチじゃないと僕は残したいと思わない。
そういうことで瀬戸山さんが「HOTPARTICLE」を制作したことがとてもシックリきたのだ。
勝手に解釈しているだけかもしれないけど。
後半、瀬戸山さんを演じる佐藤みゆきのほぼ独り舞台で、それは圧巻だった。
「こんな小さな、しかも東京の劇場で原発の事を声高に叫んでも意味がないんじゃないか?」
というような台詞があり、続けて
「でも、私はジョン・レノンになりたいんだ。バカみたいで恥ずかしいけど」
と言うのだが(すみません、正確ではないけどこういう意味合いでした)、そこまで突き抜けてのたうち回っていることを描いているのは清々しかった。
青さと熱さのギリギリの攻防。
勢いでやってしまったけど、これに意味があるのか?
こんなんで世界を変えれるのか?
ジョン・レノンになれるのか?
自問自答しながら、でもやらずにいられなかった。
それで良いと思う。
「原発」に会いに行くのもそれを舞台化することも。
僕は自分の上映後トークイベントなどで、
「なぜ社会的テーマの映画なのにあなた自身のメッセージを入れないのか?」
といった質問を以前よく受けることがあり、それに対して答えていたのが、
「入れない事自体がメッセージと考えていて、もちろん自分の意見があるけど、それを描くのは自分のスタイルではない。それを入れたところで世界が変わるとも思えないし。ジョン・レノンでさえ世界を変えれなかったんだから」
というようなことだった。
今思うと、クールぶって自意識過剰なヤツだなーと思う(ジョン・レノンって言ってる時点で意識してるんじゃねーか!)。
そんなことはすっかり忘れていたが、
ジョン・レノンになりたい!
と素直にのたうち回る瀬戸山さんを観てドキッとした。
ということでうまくまとめられたかわからないが、とにかくここ数年で一番グッときた舞台だった。
真っすぐだし意味があるし、なによりエンターテイメントだった。
これを面白いということを不謹慎とか言うヤツ、お前が不謹慎だ!![]()


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