ウォン、ウェス、ガス
久々に映画観に行ってきました。
今さらな感じの3本。
ウォン・カーウァイ
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
http://www.blueberry-movie.com/
なんか評判悪いですけど、僕は好きでした。
ただ僕はあの「2046」でさえ好きといってしまう人間なのであまり参考になるとは思えないですが。
撮影監督がクリストファー・ドイルじゃなくて「セブン」などで知られるダリウス・コンジ、というところなんか観ていてたまりませんでした。
結局、アメリカで撮ろうが、トニー・レオンじゃなくジュード・ロウが出ていようが、ドイルが撮影監督じゃなかろうが、ウォン・カーウァイはウォン・カーウァイ!というのが感じれたし、「レスリー」や「スー・リン」という役名は泣けた。
主演のノラ・ジョーンズとライ・クーダーのサウンドも沁みたし、甘すぎるキスシーンはぎりぎりクサくない。
確かに全体のバランスは悪いけど、そこが好きだったり。
なんかいろいろ個人的にリンクするところがあったし、うん、良い映画だと思うなぁ。
ウェス・アンダーソン
「ダージリン急行」
http://microsites2.foxinternational.com/jp/darjeeling/
相変わらずのロックなスローモーションを感動的に魅せる演出はグッときました(特にオープニングの列車に乗りこむ瞬間)が、本編前に上映したプロローグ的な短編「ホテル・シュヴァリエ」の方が好きでした(ナタリー・ポートマンが超魅力的)。
というか僕は好きだと思っていたウェス・アンダーソン作品、「天才マックスの世界」しか心から愛していない、ということに気づきました。
なぜか?(←まぁそんなこと他人にとってはどーだっていいんですが)
今回、観たあとにいろいろ考えましたが、おそらく「ロイヤル・テネンバウムス」にしろ「ライフ・アクアティック」にしろ「ダージリン急行」にしろすべて『家族』をテーマにしていて、僕はそのテーマにまったく興味がないということです。
「天才マックスの世界」もその要素はありますが、それが主軸ではなかった。
なんてこと自己分析しましたが、サリンジャーのグラース家シリーズ(「ロイヤル・テネンバウムス」の元ネタ)なんかは大好きなんであんまり関係ないか。
スピルバーグもしつこいくらい「崩壊した家族とその再生」を描いていますが、嫌いじゃないな。
まぁとにかくなんでだかウェスの描く「家族の問題」にそこまで入り込めないのでした。
ガス・ヴァン・サント
「パラノイドパーク」
http://paranoidpark.jp/index.html
大傑作、ではなかったけどかなり好きです。
スカしてスカして、ハズしてハズす。絶妙なテクニック。
今回、こっちに参加したクリストファー・ドイルの映像がまた良いんだ、これが。
テーマ的にはラリー・クラークの一連の作品に近いんだけど、決定的に違うのは、ストーリーを語るんじゃなくて、もー作品全体を使って主人公の心象を(力技ではなく)描いているってところ。
サントは、実在の事件を元にした「エレファント」「ジェリー」「ラストデイズ」の俯瞰的目線から確実に被写体に入り込もうとしている。
「エレファント」進化系?
あと、またスケボーちゃんとやりたくなった。
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