マラドーナ×クストリッツァ
小学生のとき地元のサッカーチームに所属していて、毎週日曜日一度も休まず朝早く起きて電車乗ってその練習場まで通っていた。
今じゃ考えられない(モンスターなんちゃらが100%抗議するであろう)監督やコーチの超スパルタな練習で鍛えられた(昭和のおっさんたちは本気で恐ろしかった!)。
夏休みの合宿なんて本当に地獄で最終的にほとんどのヤツが吐きながらボール蹴っていたくらい。その時、チームメイトとアクエリアスを一口飲んだとか飲まないとかで殴り合いの喧嘩まで発展したり。
当時はJリーグなんて夢のまた夢だったし、今みたいに世界のサッカー情報もあまりはいってこなかった。
だけど、マラドーナだけは違った。
サッカー知らないヤツもマラドーナだけは知っていたし、やってるヤツは「キャプテン翼」から始まりみんなマラドーナに夢中になった。
当然僕もそうだった。
映画のポスター以外で部屋に貼っていたのはマラドーナとマイケル・ジャクソンだけだった。
中学に入り個人プレーの方が性にあっているということに気づきサッカー部ではなく体操部と陸上部に所属した。
さらに部活以外では映画に熱中していったので、サッカー熱は次第に下がって行き、今ではサッカーをするのは好きだが、観るのは断然野球の方が好きにまでなってしまった。
というわけで、今の僕のアイドル(?)クストリッツァが小学生のときのアイドル・マラドーナを撮るという夢のドキュメンタリー「マラドーナ」を鑑賞。
前売り券買ったらマラドーナバッジかクストリッツァバッジのどっちかチョイスしてもらえると聞いたので「うわー悩むなぁ。でもクストリッツァのバッジなんて絶対なさそうだからそっちをゲットだぜ!」と思って公開前日にギリギリで劇場に行き購入したら「この映画館ではバッジは扱ってません」と言われあえなく断念。
そんなことはどうでもいいのだが、この映画、正直マラドーナに思い入れがあって、さらにクストリッツァの映画が好きな人じゃないと100%楽しめないんじゃないかな〜と思った。
マラドーナのドキュメントっていうより「マラドーナ×クストリッツァ」が全面に出ている(と思ったら原題が「MARADONA BY KUSTURICA」だったんで当然か)。
僕にとっては絶妙で見事なマッチングだったけど、マラドーナやサッカーにまったく興味のないクストリッツァファンは困惑するかもしれないし、映画に興味のないマラドーナファンは誰やねんこのおっさん、そんなんいらんねん、と思うところがあるかもしれない。
でも両者の魅力だけは確実にビンビン伝わる。
カリスマの固まりのようなクストリッツァが希代のスーパースター・マラドーナのカリスマ性について(自身の作り出した映画のキャラクターと比較しつつ)探求する異色のドキュメント。
マラドーナ自身が歌う「La mano de dios」は泣ける。
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