デルタ
「美代子阿佐ヶ谷気分」や「USB」などの撮影で知られる与那覇政之君の監督作「誘惑として、」を含むオムニバス『デルタ』が完成しました。
与那覇君は友人で、「Fragment」で僕自身が撮っていないシーンが1つだけあるんですが、それは与那覇君が撮影してくれました。
単純にそのシーンだけ2カメで撮ったんですが、与那覇君の方が上手かったので。
(余談ですが「美代子阿佐ヶ谷気分」の監督、坪田君に「Fragment」のどのシーンを与那覇君が撮っているかわかる?と聞いたらばっちり当てられました。さすがです)。
『デルタ』は、小説家・小川国夫の作品を原作にした3つの短編連作。
他の2本、「他界」は、以前参加させていただいた『日本映画独立愚連隊』というイベントでお世話になった「国道20号線」などの撮影監督・高野貴子さんの作品、小沢和史監督「ハシッシ・ギャング」の撮影チームも仕事仲間、という縁がある企画ってこともあり先行上映にてさっそく観てきました。
共通しているのは「寸止めの美学」。
映画の表面上はなにか起こりそうで、起こらない。
でも確実に「何か」が動いている、という感覚。
小川国夫さんの原作を読んでいなかったのですが(というか存在を知らなかった)興味を持ちました。
「誘惑として、」
会話からなる記憶の連鎖。
感傷。
「他界」
喪失から派生するズレ。
記憶。
「ハシッシ・ギャング」
幻惑からなる渇望。
愛。
というのがそれぞれ観た後、ぱっと思った言葉だったのですが、よく考えたらそれを(内容も描き方もまったく違う作品にも関わらず)他の作品にスライドしても当てはまるなぁと思いました。
3作とも論理で詰めたくなる人も多いであろう映画なんだけど、僕は感性で受け止めて、原作を読んで勝手に逆再構築するのが楽しいんじゃないかと思いました。
元々、映画を論理で語るのがあまり好きではないので、そういう意味ですごく好みのオムニバスでした。
先行上映は
3月12日(金)19時から渋谷アップリンクでもやります。
ロードショー公開は初夏の予定です。
ご興味ある方は是非!
http://www.delta-movie.com/index.html
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